アエラムック

2010年4月28日

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 昨日、『AERA with Baby スペシャル保存版(2010年4月15日号)』が朝日新聞出版から送られてきた。3月の初旬に、出産医療ジャーナリストの河合蘭さんよりメールをいただき、隔月誌『AERA with Baby』のスペシャル保存版のムックが4月に発刊されることとなり、以前同誌(2007年11月号)で紹介されたわたしのインタビュー記事がふたたび掲載されることになったと知らされていたので、到着を楽しみにしていたものだった。

 今回のアエラムックのテーマは、「私らしく産むための妊娠・出産バイブル」。「自然で産むということ」、「納得できる、産み場所選び」などの目次タイトルが並ぶなか、「高齢でも産む勇気」という特集があり、ここにわたしのインタビュー記事が登場するのである。 もうタイトルを見ただけで、まるでわたしが高齢出産をしたかのようだが……。 4ページに渡り、高齢出産とはどういうものかを4人のインタビュー記事によってまとめている。 インタビューに登場するのは、39歳で初めて出産したNHKアナウンサーの武内陶子さん、39歳と42歳で出産した産婦人科医の堀口雅子先生、41歳でひとり娘を出産した「babycom(出産サイト)」主宰の鈴木賀世子さん、そして出産はしていないものの、『40代初産をはじめた女性たち』を執筆したわたし。この4人である。
 そもそもこの記事へのインタビューが行われたのは、2007年9月のことだった。ある日突然、アエラの編集者から電話があり、『40代初産をはじめた女性たち』を書いた経験から高齢出産についての話しを聞きたいとのことだった。そして「あなた自身のお話もお聞きしたいのです」と言ったのである。ああ、もしかしてわたし自身も40代で初産をしたと勘違いしているのでは? そう思ったわたしは即座に、「あの、わたしは出産していませんが、よろしいですか?」と聞き直したのだった。 ふだんはインタビューを依頼する立場にいるわたしなので、思わず余計な心配をしてしまったのである。すると、一瞬の間があった後にアエラの編集者は、「ええかまいません」と答えたのだった。内心、「これは企画には合わない人に依頼してしまった」と思ったに違いない。一瞬の間が、そんな空気を電話越しに伝えていた。

 結局、その1週間後、池袋のとある喫茶店でインタビューが行われた。先方は、アエラの編集者と先に紹介した出産医療ジャーナリストの河合さん、そしてカメラマンが来たのである。ええ?カメラマン? 写真を撮るなんて説明なかったじゃない。あまりにもラフなTシャツとジーンズ姿でインタビューに行ってしまったことをちょっぴり後悔したものの、どうあがいても40代半ばなりにしか写らないのだから仕方がないと、あっさり観念したのだった。
 インタビューは、ここ数年、高齢出産が当たり前になってきているなど、女性の生き方が大きく変わってきている話で盛り上がりとても楽しいものになった。とかく誤解されがちなわたしたち世代の「40代初産」だが、今回はまっすぐ等身大の姿が伝わってゆくのではと手応えも感じることができた。インタビュアーの河合さん自身も、産むと決められない女性たちをテーマにした本『未妊』を発表していたこともあり、近い取材現場を見て来たもの同士、かなり分かり合えるものがあった。またアエラの編集者も同世代の女性で、しかも4人の子供がいながら編集者・ライターとして働いているというパワフルな人だったため、ついつい同世代話に花が咲いてしまったのである。唯一、カメラマンが20代の男性(既婚)で、わたしたち女たちの話にひとり取り残され浮いている感じだった。まだ若い彼にとって、ピンとこない内容だったに違いないが、あと10年もしてもしパートナーとの間に子供が産まれていなかったなら、実感をもって理解することになるのだろう。
 かれこれ1時間半くらいインタビューはつづいただろうか。途中、かなり話が脱線していたものの、とてもリラックスしてインタビューを受けることができた。実際、そのほんの一部しか雑誌には紹介されないだろうが…。
 こうして出来上がった記事は、河合さんの文章のうまさもあり、とても素敵なものにまとめられていた。出産経験のないわたしへの心遣いも感じられ、「自分では出産していないのに40代出産に何か引力を感じ、本を書き上げた人もいる」から記事がはじまっていた。そして、「産み時とはきっと頭で選べるものではなく、心と体が意識の下で選んでいるのだろう」との文章で締めくくられているのも、わたしが伝えたかったメッセージをきちんと代弁してくれていた。取材を受けた側の気持ちが文章にまっすぐ曲がらず表現されていると、嬉しいものだなぁ…と、つくづく感じたのである。

 そして、この2007年11月に初出の記事が、今回のスペシャル保存版のアエラムックに再掲載されることになったのである。最近では、「アラフォー」という言葉も世の中に定着してきて、ますます「40代初産」は珍しいものではなくなってきている。わたしが「40代初産」の取材をした2004年〜06年ころとは、また時代の空気も変わってきて、高齢出産への抵抗感がかなり薄れているのかもしれない。とはいえ、高齢出産にリスクがあることには変わりがなかった。そんなことも含め、ぜひ、発刊中の『AERA with Baby スペシャル保存版』を読んで、「自分らしく産む」生き方のヒントにしてもらえれば嬉しい限りである。