
東京から約2時間。千葉県鴨川市にある美しい山里を訪ねた。
東西600メートルにわたって375枚の棚田が連なる“大山千枚田”。
やさしい5月の風に導かれて、山道をのぼっていくと、
そこには、想像以上に気持ちのいい景観がひろがっていた。
優美な曲線を描く、段々田んぼ。田植えをしたばかりの水田は、
水面がキラキラと輝き、空や太陽を映し出す。
しかも日本で唯一、雨水のみで耕作を行っている「天水田」だというから驚きだ。
「自然とともに生きているから…」 と、地元の人はさりげなく言うけれど…。
そんな新緑深まる山里は、朝な夕なに、蛙の声が鳴り響く。
東京からいちばん近い棚田──1999年、「棚田百選」に認定。






