
なんとなくLCC(格安航空会社)に乗るのは、ためらいがあった。国内線はもとより、国際線はなおさらで。安全性や快適さはどうなのだろう? 安いには安いなりのデメリットがありそう。そんな思いだったからだ。
しかし昨年、インドネシアのアチェに行こうとした際、エアアジアを利用して、クアラルンプール経由で行くのが、いちばん時間的に便利とわかり、躊躇しながらも利用してみることになった。すると、これが想像以上によかったのだ。これなら、また使ってみたいという思いになる。
そんな矢先、エアアジアによる、成田・バリ島直行便が就航することになった。運行日は月・火・木・土の週4便。しかも、就航記念の特別価格として、成田・バリ往復で約2万円(最安値)からのキャンペーンも行っていたのである。これは、利用しない手はないだろう。
早速、日程を調整して、バリ島への旅支度をはじめた。私が購入したチケットは、成田・バリ島往復で約3万3千円。朝8時25分、成田発で、午後2時25分にはバリ島デンパサール国際空港に到着するという便だった。朝は早い(早すぎる)が、昼間、バリ島に着くのも魅力的だった。
そうして当日、早朝6時半すぎに成田国際空港の第二ターミナルに到着し、エアアジアのカウンターへと向かった。すると、すでにチェックインするための長い列ができていて、サーフボードを持った人がたくさんいる。ほぉ、格安航空券に食いつくサーファーが大勢いることに、なんだかほっこり。そして待つこと約1時間、ようやく手荷物を預け、私のチェックインがおわって、ホッとする。
ところが、受け取った搭乗券は、コピー用紙のようなペラペラの紙で、そこに赤いマジックで搭乗ゲートと搭乗時刻が手書きで書かれているではないですか。
GATE86
Boarding Time :7:45
ええ?これで飛行機に乗れるの? と思うほど、心もとない搭乗券なのだ。搭乗ゲート『GATE86』も、はるか遠く、第二ターミナルのはしっこのほうにある。さすがLCC! 利用できるゲートは、端のはしなのだ。少し早めのテンポで歩いても、ギリギリ。なんとか搭乗時刻に間に合う。そして飛行機に乗り込むとほぼ満席。しかしなぜか飛行機は飛び立たず、1時間またされる。そのまま私は寝落ちしてしまった。
ともあれ、無事、バリ島直行便のLCCは、無事飛び立ち、赤道を越えはるか5000キロ南の島、懐かしのバリ島へ向かったのである。
天空からの眺めは、快晴。座席シートは通常より若干狭くなっているようだが、行きはよいよい(帰りは、ちょっとつらいかも?)。機内食のチキンライススペシャル(有料/110,000RP)も、美味しく、ほぼ快適な空の旅を楽しむことができた。そうして1時間遅れで、予定どおりバリ島デンパサール国際空港に到着した。私にとって、今年ははじめてバリ島を旅して、ちょうど30年。昔、小さかった空港も、いまではハブ空港として3階建ての綺麗で広々とした空港になっている。そんな時の流れをしみじみ感じながら、いよいよ行き慣れた場所、ウブドへ。タクシーの運転手さんと、おしゃべりしながら、最新のインドネシアの空気を呼吸した。
変わったもの、変わらないもの、いろいろ。
さぁ、近くて便利になったバリ、30年目のバリ島を、ゆっくりゆったりと楽しむことにしよう。
