
東京都心は7日連続「猛暑日」、練馬区で37.7度──。
などと報じられるこの夏。たしかに暑い、異常に暑い、夜眠れないほど暑い。練馬は、36度、37度、38度と、体温より高い気温の日がつづいている。クーラーをつけている家のなかでも、廊下を歩けば、モワッと暑く、このまま熱中症になってもおかしくないと感じるほどだった。
昨年も暑かったが、こんなに暑かっただろうか? いやいや、今まで経験したことがないほど暑いかもしれない。海風をシャットアウトする汐留あたりの高層ビル群の影響で、ヒートアイランド現象が起こっている練馬区は、もしかしたら、世界一、暑いのではないだろうか? とさえ妄想する。しかし、熱波到来で、スペインでは45度にもなっているとテレビのニュースで知り、まだ東京のほうが涼しいのかと安堵する。でも、わたしがよく行く赤道直下の国、インドネシアよりも、常夏の楽園、ハワイよりも、練馬は暑い。これはたしかだろう。と、ひとりつぶやく。
ともあれ、2023年夏は、練馬区だけでなく、世界各地に猛暑が襲っているようなのだ。国連のグテーレス事務総長が、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が来た」とコメントしたというが、そうそう、沸騰している感じなのだと納得する。
そんなクラクラしそうな夏のある日、クール宅急便が届いた。
沖縄で暮らす甥っ子から、沖縄のバイナップル『ゴールドバレル(黄金の樽)』が送られてきたのだ。箱をあける前から、パイナップルの甘い香りがしてきて、思わず笑顔になった。すぐに中身を取り出すと、丸々と大きなパイナップルがでてきた。これは立派! そもそも『ゴールドバレル』とは、沖縄の豊かな太陽の恵みのもとで、2006年に誕生した、新種のパイナップルだという。実の色が黄金色(ゴールド)で、形が樽(バレル)に似ていることから、『ゴールドバレル』と名づけられたらしい。通常のパイナップルと比べて、大きさも約2倍というから、食べがいもある。収穫まで3年を要する、希少なパイナップルという、能書きも知り、ますます期待値が高まる。
さっそく、切ってみると、鮮やかな黄金色の、果肉があらわれる。そして、いざ実食すると、う〜〜ん、甘くて美味しい。しかも、果肉がやわらかくて、口のなかでとろけるような、口当たりなのだ。香りが高く、果汁もたっぷりジューシーで、いくらでも食べられそう。丸々1個、ペロッと食べられるんじゃないかと思うほど。この『ゴールドバレル』、はじめて食べたけど、こんな美味しいパイナップル出会ったことがないと、ほっこり。1度、この味を知ってしまったら、いつものパイナップルには戻れそうもない、と思うほど贅沢な味わいだった。かわいい甥っ子から送られてきたから、よけい糖度が増していたのかもしれないけど……。酷暑、猛暑に、なんとも嬉しい暑気払いとなったのである。
