こころの世紀へ


 “戦争の世紀”と呼ばれた20世紀が終わり、早20数年。21世紀は、“こころの世紀”になると、勝手に思い抱いていたが、今となっては、自分の読みの甘さに愕然とする。21世紀に突入しても、地球上での戦争は終わることを知らず、新たな分断、対立、紛争を、生みつづけていたのだ。
 ことに2023年は、ロシアのウクライナ侵攻に加え、イスラエル・ガザ紛争もふたたび勃発し、戦闘、空爆、大規模攻撃の映像が、日常の風景となって、日々、テレビから流れてくるようになった。
 どうか紛争・戦争が1日も早く収束しますように。世界が平和になりますように──。そう祈らない日はないほどだった。

 プノンペンにある、カンボジア史料センター(DC-Cam)の所長、ヨク・チャン氏は、
「ベトナム戦争で、約700万人のカンボジア人が生き残りました。そして、大量虐殺を行ったクメール・ルージュ政権下(1975〜1979)では約200万人のカンボジア人が死亡したと考えられています。 つまり、約500万人のカンボジア人が、ベトナム戦争とカンボジア虐殺の両方から生き残ったのです」と話す。 
 そして、カンボジアの人びとは、そこから立ち上がり、戦争のトラウマからの癒しと和解に取り組んでいたのである。

 やはり、私も、世界平和をあきらめたくない。だから、2024年も語りつづよう。
「戦争は、絶対はじめてはいけない」、と。

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